RAINMAKER 2023年春夏コレクション
2022.08.31
video

RAINMAKER 2023年春夏コレクションのランウェイショー映像に石橋英子が出演。

RAINMAKER 2023年春夏コレクション京都市京セラ美術館を舞台に同氏によるピアノ演奏と、映像美、スタイリング、場所といった三つの要素が融合し、RAINMAKERのコレクションの表現をさらなる高みへと導いている。

◆RAINMAKER 2023 S/S Collection | Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 S/S
https://youtu.be/SG_OVZGnUSY


【RAINMAKER 2023春夏コレクションについて】

今季、描き出したのは静謐な中に、力強さを秘めた人物像。
男性的なテーラリングをベースにしながらも、柔らかくしなやかな素材使いやカラーリングにより、軽やかな気品を纏ったコレクションを展開。

着物のようなフォルムを持つ、コートやジャケット、フロッグボタンのあしらわれた、レザージャケットやプルオーバーシャツなど東洋的な衣装をモチーフとした新たなアイテムを作製しました。

カラーパレットは、白、黒、灰色のモノトーンをベースに、色調の異なる数種の緑で構成。
MILESTONES(下記参照)との協業によるオリジナルテキスタイルでは春夏の帯図案をもとに、幽玄な着彩を施しました。

ランウェイショー前半では、新緑や苔などを感じさせる落ち着いた色彩から始まり、後半にかけて草花や川、日本庭園など、春夏の情景から着想を得た色目が加わりコレクションに華やかな彩りを添えました。

RAINMAKER ファウンダー / デザイナー
渡部宏一


映像と音楽とRAINMAKERの洋服、そして拠点と場所

2021年秋冬シーズンから「映像」というかたちで発表されてきたRAINMAKERのシーズンコレクションランウェイショーは、デザイナー渡部宏一が「洋服」をもって表現してきたRAINMAKERの世界感をさらに押し広げ、それまで表現しきれなかったデザイナーの想いの根底にある“日本の美”に対してもアプローチし、ファッションという枠を超え文化的、さらには芸術的な表現を実現している。

映像ディレクションは2021年秋冬シーズンから継続して写真家の水谷太郎氏が手がけ、同氏が持つファッション、文化、芸術といったさまざまな感覚と視点から複合的に創造される映像美と、スタイリスト中兼英朗氏によるRAINMAKERの洋服が持つ潜在的な可能性を最大限まで引き出すスタイリング、そして撮影の舞台となるブランドの拠点である京都に存在する文化的価値をもつ場所の力が巧妙なバランスで合わさり一つの映像作品となっている。

− 音楽家・石橋英子氏との融合

RAINMAKERのランウェイショーの映像ではこれまでも京都を拠点に活動する電子音楽家[KND]や先鋭的なスリーピースバンド[空間現代]が音楽を担当するなど、音楽はブランド、またはそのシーズンを表現する上で切っても切り離せない存在となっている。今回の2023年春夏コレクションランウェイショーには、劇団マームとジプシーの演劇作品や、アニメ『無限の住人-IMMORTAL-』、映画『ドライブ・マイ・カー』の音楽を担当したことでも知られる音楽家・石橋英子氏が出演。京都市京セラ美術館を舞台に同氏によるピアノ演奏と、前述の映像美、スタイリング、場所といった三つの要素が融合し、RAINMAKERのコレクションの表現をさらなる高みへと導いている。

− 拠点と場所

RAINMAKERは京都を拠点として洋服を中心に展開するブランドであるが、その洋服が置かれる場所やこのランウェイショーやルック撮影を行う場所など、RAINMAKERは常に「拠点と場所」に拘りとある種の執着を持って取り組んできたブランドである。また石橋氏も山梨県は北杜市に拠点を置きながら日本のあらゆる場所や、日本のみならず世界の様々な環境の中でライブを行うなど「拠点と場所」に独自の考えを持って活動を続けている。今回のランウェイショー映像では石橋氏の音楽とRAINMAKERの洋服は絶妙な織りなしを実現しているが、そもそも両者にはこの「拠点と場所」への拘りの観点で親和性を持っていた創造者(クリエイター)なのかもしれない。


石橋英子 / Eiko Ishibashi石橋英子

千葉県出身、日本を拠点に活動する音楽家。電子音楽の制作、舞台や映画や展覧会などの音楽制作、シンガー・ソングライターとしての活動、即興演奏、他のミュージシャンのプロデュースや、演奏者として数多くの作品やライブにも参加している。近年では劇団マームとジプシーの演劇作品や、アニメ『無限の住人-IMMORTAL
-』、映画『ドライブ・マイ・カー』の音楽を担当。2022年の最新作はBlack Truffleよりリリースされた『For McCoy』。


RAINMAKER 2023春夏シーズン コラボレーションブランド

【MILESTONES / マイルストーンズ】

1688年(元禄元年)創業、西陣織の老舗「細尾」と京都造形芸術大学の学生たちの協業によるプロジェクト。「細尾」が代々所有する約2万点のきものや帯の図柄をデジタルアーカイブ化・分析することによって、現代のデザインとの交点を探る。
2014年からスタートした本プロジェクトは、日本の染織の歴史のひとつとして西陣織の文様アーカイブを後世に残すとともに、若い世代による新しくダイナミックな感性で、時代を超えたデザインとして様々な形で展開することを目的としている。

本コレクションでは協業によりオリジナルテキスタイルを作成。「細尾」所蔵の孔雀の絵柄をベースに着彩・リサイズ・トリミングを施し、新たに図案を作製し、しなやかで優しい膨らみを持ったテキスタイルはコートやシャツ、パンツをはじめ多数のアイテムで展開する。

【Wrangler / ラングラー】

1947年アメリカのブルーベル社から、ウエスタンウェア分野に向けてWranglerが誕生。ジーンズを発売したのは比較的後発ながら、当時ハリウッド映画のカスタムテイラーを担当していたロデオ・ベンを企画に起用。ファッション性の高さから、全米のカウボーイやウエスタンファンに支持され、彼らのライフスタイルに寄り添ったモデルが企画された。ブルーベルが築いたワークウエアの由緒ある歴史をルーツに、名品を生み出してきたWrangler。そこには、常に働く人々の快適性を考えるというスタンスがあった。長い歴史の中で育まれてきた、このアイデンティティは今も健在で、世界のウエスタンファン、ジーンズファンのライフスタイルブランドとして愛され続けている。

本コレクションでは協業により、カウボーイジャケットを作成。名作『11MJZ』をベースとし象徴的なディテールを活かしながら、オリジナルの襟設計、フィッティングを施しアップデートを試みた。また、デニム素材に加え、同型でスーツ地のような表情をもつ素材を展開。共地で作成された三種類のトップスや四種類のボトムスと組み合わせることで、多様なスタイルをつくり出すことのできる趣を加えた。